こんにちは!TechTreckのふりっつ(@techtreckMK)です。
いや〜、ついにこの日が来ました。シグマー(誰も使ってない)の私としてはfpから6年越しの待ちに待った新しいカメラ、SIGMAのBF CAMERA。今回はその体験会に、なんと聖地のSIGMA本社までお邪魔してきちゃいました!
今回は、この激アツな体験を皆さんにお届けしたいと思います!
【衝撃】SIGMA本社で「あの」カメラに触れてきた!BF CAMERA体験会レポ
皆さん、SIGMAが2月に突然発表した「BF CAMERA」ってご存知ですか?
CGかと思うがごとく現実感のない直線的かつシンプルな造形。プロトタイプかと思わせるほど謎めいたカメラの登場に、ガジェット好き、カメラ好き界隈で騒然となっている「アレ」です。
そのカメラを実際に発売前に触れる機会が!しかもSIGMAさんの本社で開催されるとあってSIGMAファンにはたまらないイベントです。
が、初回開催は5倍以上の応募がありあえなく落選。気を落としていたところ、1ヶ月ほどで第2回が開催されるというではないですか! 今回2回目に無事当選し、ご招待いただけることになりました。(今後もきっと定期的に開催されると思います、その時は是非)
いざ、SIGMA本社へ!
というわけで、行ってきました、神奈川県のSIGMA本社!
SIGMAといえばMADE IN AIZUから知られるように、福島県会津市に工場を構え、全ての製品を生産していますが、設計やバックオフィス部門は本社、神奈川県川崎市の黒川にオフィスを構えています。

新宿駅から小田急線で約40分、黒川駅に到着です。
川崎のチベットと呼ばれる黒川(行政自体がそう呼んでるらしい…)、駅から本社へはさらに15分徒歩でアップダウンのある道を行くことになります。
黒川に本社移転されたのは2005年、それまでのオフィスが手狭になり移転したのですが、なぜ黒川が選ばれたのか?
- より良好なオフィス環境へのニーズ。特に、緑豊かな環境と従業員の働きやすさ
- 栗木地区が川崎市によって「マイコンシティ」として戦略的に開発され、多くのテクノロジー企業が集積する地域
会社としての成長戦略、従業員の働きやすさへの考慮、地域との共生 を多角的に考慮してのことかと思います。
そんなことを考えながら歩くこと15分、2022年に建てられた新社屋に到着。







プチオフィスツアー
受付後、体験会会場まで新本社の特徴的な2つの場所にご案内いただきました。
1.写真集ライブラリー
2階へ上がる階段通路には壁一面に写真集が並べられたライブラリーがあります。(写真撮り忘れました)
創業より少しずつ集められこれまで倉庫保管されていたものを、新社屋移転のタイミングで数千冊このライブラリーに移動させたようです。イベントなどで外部に持ち出しされるらしく、現在京都で開催中のKG+に1000冊ほど展示しているとこのこと。
“Beyond the technology, is Art. “
2023年頃に使われたSIGMAのキャッチコピー。すべての技術は表現する喜びのために
技術を突き詰めれば、アートにつながる。こと理系の技術者が多い社員に対して、皆さんの仕事の先にはこんなに素晴らしいアートを生み出す世界がある。そんな想いで社員だれでも見ることができる写真集ライブラリーを作られたそうです。
2.レンズセラー

2つの社屋を繋ぐ通路部分に設けられたのは、SIGMAが現在発売する製品、とりわけレンズを中心にディスプレイされた、その名もレンズセラー。ワインセラーの如く、綺麗にマウントに取り付けられ、室内は1年中同じ温度、湿度をキープされているとか。
人間にも心地よい温度と静かな光。レンズを眺めながらぐっすり寝れそうな空間でした。
階段を登り、いよいよSigma BFが待つ会場へ。
いよいよ対面!BF CAMERAとは何者だ?

まず、一人一人名前が呼ばれ、本日のMy BF CAMERAの前に立ちます。ボディカラーとレンズはランダムで、私のBFはブラック、レンズはContemporary 45mm F2.8。まずはMy BFをfpで撮影する儀式から始まりました。




ようやくBFを手に取りました。ファーストインプレッションは「ひんやり冷たい、そして適度な重さと塊感。超高級な文鎮か」
それもそのはず、後ほど語りますがこのボディは1つのアルミインゴッドから削り出されてボディなので、一般的なミラーレスカメラのマグネシウム合金とは違った質感があります。
早速、社員の方から簡単な使い方説明があり、「まずは私にカメラを向けてください」と。縦横無尽に動き回る社員さん、クルクルと回り出す。何をしているのかというと、前回のfpから大幅に進化したAFのトラッキング性能を体験することから始まりました。
ガンガン追従する瞳AF。後ろ姿になると後頭部を補足し、また正面になると瞳にフォーカスが当たる。確かにこれはスゴい。fpの頃はAF性能があまりに心許なく、普段ワンちゃんを撮る自分としてはワンちゃん専用にSony α7RVを常備していました。でも、今回のBFならこれ一台であらゆる場面で使えそう、そういう風に思わせる暗いのAF性能の進化を感じました。


触れて分かった、BF CAMERAの「本質」
操作部は驚くほどシンプル。背面には液晶モニターと物理的なダイヤルとボタンが4つ、最小限に配置されています。
RADICAL SIMPLICITY 過激なまでにシンプルに
今回のBFの設計思想。一旦ゼロベースで見直して必要なものだけ入れる。開発者がBFを作るに当たって判断の拠り所になる思想、既存カメラから引き算で考えるのではなく、本当に必要なものは何かを考え抜いたとのことです。
その結論がボタン4つ。電源ボタン、再生ボタン、オプションボタン、決定ボタン。
普通のカメラにある撮影モードボタンもなけりゃ、fpにあったカラーモードボタンもない。
でも操作すると、これでいい、これだけでいい と思わせるんです。
そう思わせてくれる理由は、これまたゼロベースで過激なまでにシンプルに考えられた新しいUIメニューにあります。
センターボタンを押すと、撮影で頻繁にアクセスする、ISO、絞り、シャッタースピード、露出補正、カラーモードが表示されます。それ以外の項目はさらに一段階潜ったメニューへ。
ボタンは右手が届く範囲に全て配置され、右手だけで操作が簡潔されるのもシンプルです。
体験時間は約40分、その間に全ては確認できませんでしたが、今回特に気に入った機能を紹介します。
1.AFでのフォーカス深度をユーザが操作可能!!
シャッター半押しでAFが合焦、でもここじゃないんだよな〜〜奥にピント合わせたいのに…。ゾーンではなく、一点フォーカスに変更して、さらにフォーカスエリアを移動させて…
こんな体験、皆さんもよくあると思います。
BFでは半押しAFした後、ダイヤルの上を押すと奥側に、下を押すと手前側に合焦エリアを選択しなおしてくれます。
これは体験すると本当に便利。もう全部のカメラに搭載したらいいのに。


2.ダイヤルくるくる回して、カラー選択
メニューで選択した項目は、背面のミニモニターに表示され、ダイヤルをくるくる回すことで変更できます。
カラーモードを選択しておけば、いちいちメニューを呼び出すことなくカラー変更できます。
これがとても心地いい。被写体に向き合ってモニターに集中してカラー選びが可能になります。
撮影に集中できる、直感的な撮影体験。シンプルなボタンと新しいUIによって実現されたことを実感しました。



BF CAMERAが示す、一眼カメラの新境地
BFが注目を集めたのはその見た目、アルミ削り出しのApple製品を彷彿させる、これまでのカメラと一線を画すデザインではないかと思います。ふりっつも第一印象はシルバーボディに惹かれました。
ただ、今回じっくり使ってみてこのカメラの別の側面の価値について気づくことができました。
Sigma BF, everyday system camera for creative minds.
創造性を刺激する、日常使いできるシステムカメラ
これは、BFのコンセプト、開発の原点です。
CP+での山木社長のプレゼンでの一節。
日常には無数の美があって、カメラを持っていると日常の中の美しさを見出したくなる。
カメラがあることで美を探し、いい写真が撮れるとなんか嬉しい。そんな日常使いができるカメラを作りたい。
せっかくいいカメラを持っていても、いつも持ち歩いていないと大切な瞬間は切り取れない。
そういう意味でSIGMA fpは世界最小サイズのフルフレームカメラとして登場し、6年に渡り愛用しました。
ただ、これまでのSIGMAのカメラは他のカメラメーカーにない尖った個性を持ちながら、一方で基本的なカメラの機能スペックについては1、2世代古い印象がありました。何かとできないことや制約が多いカメラ。
変態的な僕らSIGMAユーザはそんな制約をも楽しみ、SIGMAだからね〜、と言い聞かせてきました。
今回のBFは全く違う。
機能面の妥協がないのです。最新の像面位相差センサーによる高速AF、ゼロ設計された進化系UI、内部記録メモリによる高速I/O。もうSIGMAだから、と言い訳させない進化がそこにあります。
制約から解き放たれ、自分の感覚と向き合い、ただ撮ることだけに集中する。
一枚の写真に込められた意図や感動を、より深く追求する。BF CAMERAは、そんな写真の「本質」を問い直させてくれるような存在だと感じました。
ということで長くなりましたが、以降はBF体験会で撮影した写真を。カラーモードは今回から新しく追加されたRICHで撮っています。








まとめ
SIGMA本社でのBF CAMERA体験会、本当に貴重な時間でした。
ネットの情報だけでは分からなかった、その質感、操作感、そしてカメラに込められた熱い思想を肌で感じることができました。
あっという間の1時間が終わり帰路へ… と思ったら何とレジェンド大曽根さんと開発者の畳屋さんによるトークイベントがあるというではないですか!
こちらもたっぷり1時間、普段聞けないカメラの歴史やBFに込められた想いなどマニアックな話が聞けました。その様子は次の記事でみっちり語りたいと思います。
追伸: SIGMAの皆さん、素晴らしい体験を本当にありがとうございました! BF CAMERAが手元に来ることを楽しみにしています!