Sigma BF について考える (op.1)

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SIGMAが変わった??

2025年2月、Instagramのストーリーズに突如見たことのないカメラと見慣れないSIGMAのロゴが目に入ってきた。新しいSIGMAのロゴは初めて見た時なんとも胡散臭く、尖ったデザインのカメラも相まって、これはきっと偽サイトなんだとスルーしました。その後、カメラ系インフルエンサーがこぞってこのカメラを投稿し、いよいよ無視できなくなってきて、SIGAMのオフィシャルサイトにアクセスすると、なんと!ロゴやフォント、サイトデザインまで全て変わっている、これはいよいよ信じずにはいられない状況になりました。(同じように感じたSIGMAファンもいたのではないでしょうか)

SIGMA

VI(ビジュアルアイデンティティ)刷新のお知らせ

https://www.sigma-global.com/jp/news/2025/02/24/010841/

新しいワードマーク(ロゴ)に込めた想い

企業やプロダクトのロゴには、その企業やモノが目指す姿、ビジョン、想いが込められていると思います。親しみやすさ、高級感、シンプルなどブランドイメージそのものを表すもの。
SIGMAはブランドイメージの構築という点においてとても意識が高い会社だと思います。現在の山木社長体制になってから3つのレンズライン(Art、Contemporary、Sports)に再構築し、ブランドカラーは白と黒に統一、製品の刻印やパッケージにまでブランドカラーを一貫して適用しています。
そしてなんといってもSIGMAフォントと呼ばれるSIGMA独自のフォントを作成し、自社製品やウェブサイトに利用しています。WEBデザインに少しでも関わった方ならこの自社フォントの凄みを理解できるんじゃないでしょうか。普段何気なく利用しているフォントですが、オリジナルでフォントをデザインするというのは非常に労力のかかる行為なので、通常の企業は既存に存在するフォントの中から自社のブランドイメージに合うフォントを採用しているケースが多いです。ユニクロは「DIN」、縦に長いクールでスッキリした印象、トヨタは「Avenir」、モダンで洗練されたイメージ。
ではSIGMAはなぜ労力をかけてまで自社フォントを開発したのでしょうか?それはフォントという一見何気ないものが実はSIGMAというブランドを想起させるものとしてとても重要な位置付けなんだと(個人的に)思います。私はこのSIGMAフォントがなんとも愛らしく好きです。直線的で適度な余白がありそれでいて少し丸みも感じるミニマルなフォント、どこかライカのフォントにも似ている。

SIGMA fp

そんな強いこだわりをもって作られたフォントやロゴを一新するという今回の発表、それはSIGMAという企業や製品がこれまでのフェーズから次に目指したい姿へトランスフォームする強い覚悟なんじゃないかと思います。それってどんな未来を見ているのか、私には分かりませんが新しいフォントやロゴにそのヒントがあるのかも。
以前のロゴはサンセリフ体、今回刷新されたロゴはセリフ体となっています。

 ・サンセリフ体:シンプルで新鮮なイメージ、親しみやすくカジュアルな印象にしたい場合に使用
 ・セリフ体:  装飾性が高く古風な印象を出せることから、格調高いイメージのデザイン、伝統的でクラシカルな雰囲気を演出したい場合に使用

つまり、SIGMAというブランドは、シンプルで親しみやすいイメージから伝統的であり格調高いイメージへの転換、ヴィトンやロエベといったハイブランドのようなポジションをカメラ界で築きたい、そんな風に感じられて仕方ありません。冒頭に述べた新デザインに関する違和感、胡散臭さはこれまでのフォントやロゴがSIGMAの象徴として自分の中に刷り込まれていたからで、新しいものにすぐ気持ちを切り替えられるかというと中々そういう風にはいきません。でも人間の適用力には驚かされるもので、1ヶ月も見ているとすっかり新フォントに対する愛着も生まれてくるんですよね。早く新フォントが刻まれた製品を手にしたい、そんな思いに駆られています。製品に関する発言は山木社長のインタビューで目にすることは多いですが、VIやブランド戦略に関することは中々聞けないのでイベント等で質問できる機会があれば是非してみたいものです。

サンセリフ体

引用: https://www.adobe.com/jp/creativecloud/roc/blog/design/font-serif.html

ちなみにSIGMAのデザインに対する余談が一つ。
以前どこかの場で山木社長が次のようなことを言っていた記憶があります。(記憶違いだったらすみません…)
SIGMAというロゴを配さなくても、プロダクトの形をみれば「あっ、SIGMAの製品だ」と分かるようなものを作りたい。SIGMA fpの発売直後くらいにそんなことを言っていたような記憶があり、確かにfpもカメラの前面部に小さい文字で「fp」とあるだけ、他のカメラメーカーにあるような自社ロゴなどは一切ありません。ちなみにカメラをキチンと構えてグリップすると右手でこのfpの文字は隠れてしまいます(笑) それでも箱型のミニマルな世界最小のフルサイズカメラはその姿かたちだけでSIGMA fpであることを表現しきっています。その思想はさらに尖って2025年4月に発売されるSigma BFへと受け継がれます。

Sigma BF
Sigma BF

Sigma BFという新たなアイデンティティ

ということで記事名にもある通りSigma BFについて語り散らかしたかったのですが、前置きでずいぶん長くなってしまいました。商品レビュー記事なら一気に書き切るのですが、今回のような雑記ブログはあまり長くしたくないので、今回は第一弾として投稿させて頂き、次回Sigma BFという新たな変態カメラ(SIGMAでいう変態とは褒め言葉)について、実際にCP+2025で実物に触れた感想も交えて語りたいと思います。

See you next TECKTRECK.

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この記事を書いた人

ふりっつのアバター ふりっつ Gadget & Cafe Blogger

京都府生まれの海外旅行好き会社員。

これまで海外旅行に20ヵ国以上行き、ミラーレスカメラは10台以上乗り替え、エスプレッソは3杯/日のみ、1匹のトイプードルと戯れる日常

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